NST(栄養サポートチーム)活動

NST(栄養サポートチーム)活動について

怪我や傷を治すには、あるいは鍛えてより強い身体を作るには、その材料が必要です。また、身体を動かしたり、息をしたり、全ての生命活動にはエネルギーが必要です。 この材料やエネルギー源が、「栄養」です。病気や怪我を治し、身体機能の低下を訓練して鍛え直す時、栄養はとても重要です。身体のダメージや必要なエネルギー量に見合った栄養を摂らなければ、正常な治癒力を妨げてしまいます。 従来の医療では、残念ながら栄養に対する配慮が不足していました。そこで、積極的な栄養管理を行ない、身体機能の回復を助けようとする発想が生まれ、それを遂行するチーム医療が展開されるようになりました。それが「NST(栄養サポートチーム)」です。 NSTは管理栄養士、看護師、医師、リハビリ療法士、薬剤師など多職種からなり、さまざまな角度から患者さんの栄養状態の評価、疾病や治療と栄養状態との関連の評価、適切な栄養投与の推奨などを行なうことで、栄養の観点から患者さんの治癒の促進を図ります。当院では2006年より活動を開始しています。 当院では、病院での一日の生活(顔を洗う、着替える、トイレに行く、食事をする、お風呂にはいるなど)の動作全てをリハビリテーションの一環と考え、実践的な訓練を行います。

1. 褥瘡チーム

褥瘡チームは、月2回の褥瘡回診を実施しており、メンバーは医師・皮膚排泄ケア認定看護師・看護師・管理栄養士・理学療法士・作業療法士で構成されています。回診でのケア内容の指導、伝達を行った後にカンファレンスを行い、各職種の視点で改善策・対応策をディスカッションし、より良いケアを総合的に実施しています。

2. 急性期チーム

脳神経外科急性期は緊急手術があったりして、栄養管理において一概にこれ!といった管理法はありません。患者さんの背景や状態もそれぞれ違い、個々の症例に対して考えなくてはなりません。NSTが早期から介入し個々の患者さんに対し最適な栄養状態を考え、適切な流動食の内容や点滴の種類、水分量などを提案しています。それにより感染症などの合併症を極力減らし、患者さんが早く回復することに全力を注いでいます。毎週2日回診をしています。

3. 嚥下チーム

嚥下、とは飲み下すことです。口からのどを通って胃へ。正常状態での栄養の唯一のルートです。しかし、脳神経疾患では、口から食べたり飲んだりしようとする意欲や認知の働きや、飲み込む働きに問題が起こることが多く、栄養のトラブルを生じます。耳鼻咽喉科医師、看護師、言語聴覚士、管理栄養士からなるチームで活動を行ない、この機能の改善を導くプログラムや、患者さんに応じた食べやすい姿勢、食品(嚥下調整食)などを考え、話し合っています。